非常に複雑だが、バランスのとれたダブルIPAだ。ホールフラワーコーン(生ホップ)で2度ドライホッピングされ、樽(瓶)詰の際にクロイゼンされている。ホップのキャラクター(苦み、フレーバー、アロマ)は深遠である。私たちの地元駿河湾が深く壮大なように、奥深くインパクトが強い。
The Label Speaks
ブライアンはアーティストのエイコさんに、スルガベイ インペリアル IPAの味はホップのキャラクターの花火大会だと説明した。エイコさんがデザインしたラベルはまさに、駿河湾の空にホップが花火のように咲き乱れている。
Bryan’s Comment
ダブルあるいはインペリアルにしても、IPAは、ホップをたっぷり使った甘いバーレィワインのように飲むものではない。そしてまた、IPAは、あなたの味覚を激しく攻撃するようなものでもいけない。ホップの個性が表現されていないといけないが、明るく新鮮で爽やかな風であるべきだ。スルガベイ インペリアル IPAこそ、まさにそれなのである。」
Bryan’s Brewing Notes
炭酸ガスは、ビール製造において重要なものだが、あまり語られることがない。しかし、中には、それを「5 番目の秘密の原料」と呼ぶブルワ―もいるほどだ。炭酸ガスは、ビールに輝きと発泡性を与えるもの。酵母発酵の副産物である。発酵から生まれる炭酸ガスを、ビールを炭酸化する手段として取り込むことは、「自然発泡」として知られている。一方、強制発泡は、容器に詰める前にまったく別の炭酸ガスを人工的に混入すること。世界中のほとんどのビールは、強制発泡である。なぜなら、発酵から生まれる炭酸ガスを十分に取り込めていないからだ。私にとって、樽や瓶の中で二次発酵した自然発泡は、醸造のプロセスの中でももっとも神秘的な出来事である。瓶内熟成、または樽内熟成として知られるこのプロセスは、容器内での二次発酵に伴って、容器内の既存の酵母が炭水化物を分解するのである。シャンパンの炭酸化のプロセスに似ている。
スルガベイ インペリアル IPA では、瓶内・樽内熟成をクロイゼン(クロイゼニング)と呼ばれる
ドイツ式の製法(一次発酵のピーク時の麦汁を少量、容器に詰める前のスルガベイに入れる)で行っている。二次発酵は、容器に詰められたスルガベイの中で始まり、自然な発泡性が生まれ、フレーバーと熟成が進化を続けるのである。ベアードビールは生きているのだ。容器の中で生き続けているのである。
容器の中の二次発酵で生まれる自然発泡は、ベアードビールを造る際に最も重要な工程である。すべての定番ビールの中でも、スルガベイ インペリアル IPA は、摩訶不思議な自然の魔法から授けられた至福の味わいをもつ、私のお気に入りの見本そのものである。
Ingredients
水 クリーンな軟水 ( 地域の源泉水 )
麦芽 フロアモルテッド・マリスオッターとピルスナー、ライ、キャラメル
非麦芽 ローストバーレィ
糖類 国産素焚糖と氷砂糖
ホップ 生ホップ ( ペレット、抽出物は不使用 )- 各種
酵母 ハウス酵母 ( スコティッシュ・エール )
Spec
アルコール度数 8.5%
初期比重 17
最終比重 2.0
苦み (IBU) 90
色 (SRM) 4
4562374801103/p2